通信制高校でローンを組むことはできるのか?と疑問に思う方はいるかと思います。
実はローンを組むのはそこまで簡単ではありませんが、種類があって混乱するかたもいるかもしれません。借りるときは、金利、審査基準、融資額など考えるべきことが多くあり、適切なローンを組めるかといわれても自身のない人は多いはずです。
今回は国の教育ローン、民間金融機関の教育ローン、クレジット会社のカードローンの紹介をしていきます、
そもそも就学支援金と奨学金とローンの違いは?
ローンを組む前に就学支援金や奨学金などそれぞれの違いをご紹介します。それぞれ違いがあるのでしっかりと確認しておきましょう。
就学支援金
就学支援金とは高等学校等就学支援金が申請できます。就学支援金は毎月返済不要の支援金を受け取ることができるということです。
世帯収入によっても支給される金額に変化は生じますが、公立の場合は毎月最高で520円、私立は4,182円が1単位ごとに支給されます(年30単位)。
なお、給付された就学支援金は学校へと直接渡されているので別途発生する入学金やスクーリング料には充てることはできないので注意が必要です。
奨学金は就学支援金と違って学生本人ではなく保護者に対して返済義務が生じます。さらに教育ローンと比較して金利が低く、条件によっては無利息で借りることも可能です。
返済も在学期間は催促されず就業してから請求されるので在学中に金銭面を心配せずに安心して勉強に集中することができます。
審査もゆるく、給付額も大きいうえに金利が低いのでローンを組む前に最初は就学支援金に申請をしておきましょう。
奨学金
奨学金制度は受給にいくつかの条件をクリアする必要があります。審査基準がローンと就学支援金より厳しいです。
奨学金の用途は授業料のみで入はなく入学の際に必要な教材や制服代などにも使用できます。詳しくは各自治体が給付しているので、そちらを調べてみましょう。
ローン
教育ローンは借りる時の条件が比較的簡単です。
就学支援金は910万円以上の世帯収入がある人は借りることができないことや、過去に高校を卒業した方や在学した経歴がある人は支給の条件に該当しないという条件があります。
ローンの最大の特徴は用途に制限がないことです。
そのため、入学金や住居費など入学通学に必要なものに資金を充てることができます。奨学金や就学支援金は授業料に限定しているため大きな魅力です。
民間金融機関の教育ローン
学費を補うために教育ローンを民間金融機関は設けていますが、どの銀行も様々な教育ローンを設けています。ローンとはいえお金を借りるため慎重に、自分にあったローンを組むのが大事です。
自由度は高く一括で入金
教育ローンのメリットは3つあります。
・用途が限定されないこと
・すぐに融資されること
・一括で借り入れができることです。
賢い人は年度によって教育ローンと奨学金を使い分ける人がいます。たとえば、初年度の教材代、制服代、入学金などに利用することです。
通信制高校の奨学金は授業料に直接充てられるので授業料以外に奨学金は使えません。
そのため、初年度は教育ローンで学費を払って翌年からは奨学金を利用して払えば全体的に出費も抑えられるので理想的です。
金利が高く条件付き
教育ローンのデメリットは2つあげられます。
・金利が高い
・世帯収入の条件がある
奨学金であれば在校中は利息が生まれず、卒業後に返済するとなったときに利息負担がかかってきます。
しかし、教育ローンの場合は次の日から利息が発生します。
また、返済は一括振込なので即時にお金が手元に来る利便性がある反面、一括で借りるため利息も奨学金より多く払うことになります。
教育ローンである必要があれば別ですが、通常であれば奨学金を借りる方がお得になります。
また、銀行は返済する可能性にある人に貸すため世帯収入も条件の1つになっています。教育ローンに限らず多くのローンは前年度の世帯収入をもとに融資をするか判断します。お金を貸しているので収入がない人には銀行は貸し渋るので一定の収入が必要です。
なかには世帯収入を条件にしない銀行もありますが、ほとんどの銀行が世帯年収200万円をラインにしています。なお、銀行の中には世帯収入の要件を明らかにしていないこともあるのでダメもとでも銀行の窓口で相談してみましょう。
国の教育ローンはオススメ
国の教育ローンは財務省が支援している日本政策金融公庫が行なっているサービスです。
一般的な銀行と違う点としてあげられるのは、目的が国民への支援であるため利益を追求する民間企業と違い積極的に貸し付けを行なっています。法律によって設立された特殊会社であるため実質的に国の教育ローンということです。
最大の特徴は世帯年収の下限が設定されておらず世帯年収を貸し付けの条件として設けていません。一般的に下限額は世帯年収が200万円です。
国の教育ローンは敷居が低いのも特徴です。年収上限は設けられて子供が1人で世帯年収が790万円、2人890万円といった形で家庭にいる子供の人数が比例しています。
年収の上限は設けられていますが、日本全体で平均年収は400万円前後なので日本でほとんどの世帯は国の教育ローンに申し込めます。
教育ローンの借り入れ限度は生徒が1人ごとに350万円、留学する生徒の場合は450万円となっています。申し込みの際に気をつける点は今後1年間に学費などとして必要になるものが融資対象です。
そのため、3年間を通して教育ローンを組もうと考えている際は1年後、2年後に繰り返して申し込む必要があります。ただし、限度額は3年間を通して借り入れた合計金額になるので注意する必要があります。
気を付けたい点として申し込み後から口座への入金が比較的長いことです。
国の教育ローンに申し込んだ後に審査結果が通知されるまで約10日、審査結果を受け取って手続きを済ませて約10日。合計で約20日かかると見通して手続きをしましょう。
さらに入学のシーズンになると申請が集中するので書類の送付はやや早めに用意をしましょう。
特に国の教育ローンは世帯年収の条件、金利が低いため人気は高く倍率が高く審査が通りにくいです。
基本的に国の教育ローンは条件や特徴は民間の教育ローンと異なり、国の教育ローンは最も申し込みやすく審査が緩いと言われます。
しかし、条件が緩いためその分競争率が高くなっています。申し込む際には必要な種類や条件は確認してきちんと準備してから手続きをしましょう。
代表的な銀行の教育ローンを比較
銀行の教育ローンは政府ではなく銀行から借りるのでメガバンクや地方銀行で提供されています。教育ローンは例えば三井住友銀行や楽天銀行が挙げられます。
日本政策投資銀行(国の教育ローン)
金利が一定なので長期返済できるのが特徴です。父子家庭や母子家庭など家族構成によっては金銭的に優遇されることがあります。世帯年収にも厳しい要件はないので世帯年収が200万円でもご利用できます。
申し込み後は一定の固定金利です。教育ローンの中で年利が低い分類です。
融資可能金額 350万円
金利 年1.81%(固定金利)
返済期間 15年以内
父子家庭、母子家庭、世帯年収が200万円以下の場合は返済期限が18年以内
JAバンク
JAバンクの教育ローンは卒業後から返済が始まるので在学中は奨学金に気を取られてアルバイトをすることや勉強に集中できます。よって、卒業しやすいといえるでしょう。
融資可能金額は10万円~500万円
金利 地域により異なる
返済期間 最長13年6ヶ月
イオン銀行
年利が他社より高いですが、店舗で15時以内に申し込みをすると当日中にお知らせがくるのが特徴です。融資資格には条件があり、前年の税込年収が200万円以上あればご利用できます。
融資可能金額 30万円~500万円
金利 2.8%~(変動金利)
返済期間(1年~15年)
三井住友銀行
三井住友銀行の教育ローンは電話サービスの体制が整っています。決して低くはない奨学金を借りるのに悩みや不安に思う人は多いはずです。不安なこと、わからないことがあれば午後21時まで電話で相談が可能なのは非常に魅力的です。
融資可能金額 10万円~300万円
金利 年2.975%(有担保型、変動金利)、年3.475%(無担保型、変動金利)
返済期間 1年~10年
楽天銀行
楽天銀行は申し込みの後、翌営業日で融資を受けることができます。スムーズに対応してくれるのが特徴です。
融資可能額
金利 年3.9%(固定金利)年3.194%(変動金利)
返済期間 1年~14年
カードローン
通信制高校に通うときに教育ローンが必要だけど、入金時間や手続きが忙しい!もっと手軽に申し込みたい人はいるでしょう。そのため、教育ローンの代わりにカードローンを利用することができます。
カードローンのメリット
教育ローンと比較してカードローンは審査から入金まで非常に短いのが特徴です。
カードローンの申し込みは店頭やインターネットなど様々です。多くのカードローンは審査から入金まで最短でその日以内で行なってもらえます。
審査だけであれば最短で1時間で行うカードローンもあります。入金まで時間がない人や、今すぐに入学金を用意する必要があります。いざ必要ときに助かるローンの1つです。
資金の用途は自由に選べるのもカードローンのメリットです。通学に関わるほとんどは教育ローンでまかなえますが、資金の用途の中にはローンの範囲内に入るか怪しい出費も充てることができます。
カードローンは担保と保証は不要
教育ローンの担保や保証などは金融機関からお金を借りるときは必要なことがほとんどです。
ですが、教育ローンは担保がいらないことがほとんどです。
しかし、基本的に保証人ないしは保証会社による保証が必要です。保証会社に保証料を払うことで保証されます。この保証料は借り入れるときに一括で支払います。
実質的に融資金額から差し引かれるので返済日に分割して元金と利息ともに支払うのが一般的です。デメリットとしては最終的に金額の負担が増えてしまいます。
カードローンは担保が不要で保証人も不要なので保証に関するお金はかかりません。実際には借り入れの利息分に保証料が上乗せされていますが保証人が不要で他の手数料が上乗せされないという点で内訳がはっきりしていて利用する人は安心ができます。
教育ローンと違いカードローンは非常に用途が広いので使いやすいでしょう。
一方でメリットも存在します。カードローンは自由な使い方ができるため利息が通常の教育委ローンより高めに設定されています。ローンにもよりますが、3%~20%の金利がかかります。
カード会社によってそれぞれ金利は異なるので自分にあった会社を探してみてください。
また、金利については限度額を高くすること、利用を続けることで金利を低くする対応もできます。
カードローンの賢い使い方
カードローンと教育ローンを併用するという使い方もあります。
3年間通して必要となる通信制高校の学費を教育ローンに借り入れて、早急に必要となるお金をカードローンですぐ借りることができます。
それぞれの良さを活かして賢くカードローンを使いましょう。
国の教育ローン | カードローン |
入学と通学など広い用途 | 用途は無制限 |
世帯年収は750万円以下 | 世帯収入の条件はプランにより変動 |
手続きは20日前後 | 手続きは即日から1週間の間 |
金利は低い | 金利は契約により変動 |
結局はどれがいいのか?
通信制高校に通う人の状態や環境は全員同じというわけではありません。1人暮らしで通信制高校に行きたい人や、アルバイトをしながらやりたい人などバラバラです。
決して、このプランがオススメとは断言できないのでローンの特徴と自分の状態や環境などを考えて目的と照らし合わせる必要があります。
しかし、突然プランを決めるというのは難しいのでローンを決める時の軸を紹介したいと思います。借り入れるときの手順からご紹介していこうと思います。
はじめは審査が通りやすい国の就学支援金へ申し込みましょう。
入学をするとき、通信制高校から申請書を受け取り、納税証明書を提出すれば公立の授業料は大幅に免除され、私立の場合も授業料が軽減されます。
入学した後に手続きが始まるので、準備は事前にする必要はありません。
この制度で授業料が軽くなると考えたうえでつうしんせいこうこうの入学や通学にかかる費用を計算しておきましょう。
教育ローンは金利の低さを重視
教育ローンを選ぶ際には審査が緩く、金利が低い国の教育ローンを利用しましょう。しかし、お得であるため競争倍率が高いので全ての人が融資は受けられません。
そこで、条件に引っかかるときに備えて銀行が提供している教育ローンを利用しましょう。いずれにしても、銀行の提供している教育ローンは申し込んでおきましょう。
なぜなら、教育ローンは審査後にキャンセルができるからです。同じ学費でも使い道が入学金や授業料で使い道が異なればローンを組むことも不可能ではありません。
ですが、2つのローンが同じ用途で組まれるのは信用情報への悪影響を考慮してやめたほうがいいでしょう。
カードローンはすぐに借り入れしたいときに使うものです。教育ローンを借りたけども予想以上に学費がかかることがあっても、カードローンで対処しましょう。
銀行のカードローンを比較
カードローンを検討しているけど、どれがベストかわからないという方のためにオススメのローンをご紹介します。
オリックス銀行
オリックス銀行のカードローンは金利が低いことが特徴です。最低金利は6%で300万円の融資を受けることができます。100万円未満の融資でさえ最低金利は12%の金利は非常にお得です。また、手続きは全てインターネットで行えること、手数料が0円なのも魅力です。
ソニー銀行
ソニー銀行の最大の魅力は業界最低水準の金利2.5%ということです。利用限度額が低くとも低金利で利用できます。仮審査は当日に終わり、ソニー銀行の口座をお持ちなら即日融資もできます。限度額の金利の低さを活かして、通信制高校の教育ローンに限らず卒業した後に進学を考えているのであれば大学の学費に充てることも可能です。
三菱東京UFJ 銀行
教育ローンのなかでかなり審査と融資が早い部類に入ります。三菱東京UFJ銀行はテレビ窓口を利用することで最短40分の利用が可能です。即座にカードが発行されて借り入れができます。インターネットでお申込みした際も最短で30分の審査が行われます。入学前に急に必要になった方など今すぐにお金が必要な方におすすめのカードローンです。
まとめ
ひとことでローンといっても沢山の種類があります。そのなかでも選ぶ軸は金利が低いところを狙うのがおすすめです。ローンを借りる前にとりあえず金利が低い就学支援金やローンを選ぶ際には国の教育ローンを積極的に検討しましょう。
ローンの役目は就学支援金だけでは足りないとき、授業料以外の生活費や入学金など足りない部分を補完するのがおすすめです。それを念頭において無理のない返済プランをお考えください。