通信制高校とは「高校卒業」という資格を目指すためにさまざまな人が利用している学校です。
全日制と違い、在籍期間や授業日数などの時間の制約が少ないため大人や働く学生などが利用している場合が多いです。
そこで今回は、この通信性高校のメリットや注意点について話していきたいと思います。
目次
通信制高校のメリットとは
ここでは通信制高校を利用するにあたって、いくつかあるそのメリットをお話していきたいと思います。
- 基本的に単位制なので、自分の合ったペースで学習することができる
- 時間の制約が少ないので、自由になる時間が多く、趣味や仕事にあてることができる
- 厳しい校則などがない一方で、全日制と同等のカリキュラムが用意されている
以上が通信制高校を利用する大きなメリットです。
他にも、留年がなかったり、通学不要なので不登校の方でも卒業がしやすいなどの利点が挙げられます。
また、最近では活発な学生に向けて、クラスメイトと体育や学校行事、修学旅行などもある通信制高校が増えてきています。
学校に通うことはめんどくさいが、友達を作りたいという学生のニーズに応えている通信制高校もあるみたいです。
こういった利点の中で、上記で挙げた3つのメリットについてより詳しく話していきたいと思います。
自分に合ったペースで学習できる
ここでは通信制高校の大きなメリットの1つである、「自分のペースで学習できる」ということについて詳しく話していきたいと思います。
通信制高校は基本的単位制
通信制高校は基本的に単位制を採用しているため、年間に学習するべき時間量がしっかりと設定されていません。
年間でどれだけ学習するかはその学生の意欲や能力によって左右され、ほとんどの場合が学生に一任されています。
通信制高校はいくつかの最低限の卒業要件さえ満たしてしまえば、卒業することが可能です。
通信制高校の卒業要件とは?
- 36か月以上の在籍、すなわち3年間以上の在籍
- 74単位以上の習得
- 30単位分の時間の特別活動
このように通信制高校は全日制の高校と違い、毎日定時に登校し、卒業や進級のための授業を受けるという形ではないのです。
したがって、自分に合ったペースで時間を管理し、卒業を目指すことができます。
全日制の高校の場合、成績が悪かったり、出席日数が不足したりすると進級ができない、すなわち留年(正確には原級措置)になってしまい、もう一年同じ学年を繰り返さなければいけません。
しかし先程から話している通信制高校は単位制であるので、その単位さえいつかとることができれば、留年になるということはありません。
様々な事情に柔軟に対応できる
身体やメンタル面の不調によって毎日学校に通うことが難しい学生にとって、あえて学習のペースを自分に合わせて卒業を目指すこともできます。
また、忙しい大人の社会人の方や、昼間に働く若者にとっても「高校卒業」という資格を目指すにはちょうど良いシステムではないでしょうか。
いずれにしても、学生の様々な事情に柔軟に合わせて、大きな負担なく卒業できるのは通信制高校の一つの魅力でしょう。
自由な時間が多い!全日制と同等かそれ以上の資格を得られる
次に通信制高校に通う大きなメリットの一つである、自由な時間が多いことや全日制と同等の資格が得られるということについてお話していきたいと思います。
自分でカリキュラム作成
通信制高校は自分でカリキュラムを作成することができるのが特徴となっています。
例えば、通学が週1日のコースであるならば、1日がぎっしりした日程になってしまう一方で6日間は自由に使うことができます。
もちろん自宅学習が必要になりますが、それでも全日制高校と比較すると自分の自由になる時間をたくさん持つことができます。
成人をしていて就業している人や、資格の勉強を両立しながら高卒資格を目指している人にとっては非常にありがたいでしょう。
オプションコースも充実
通信制高校によって、オプションのコースとして美容やコンピューター、イラストや漫画系、料理の専門知識やスキルを身につけることができるカリキュラムが用意されているのです。
このような独特なオプションのコースは全日制の高校ではなかなか受けられないものですよね。
例えば:
高校名 | オプションコース |
---|---|
鹿島学園高等学校 |
|
ルネサンス高等学校にあるWスクール |
|
このように、学校によりさまざまなコースが設置されています。
各々で資料を取り寄せて確認したり、学校の説明会に行ってみたりして、自分の学びたい、そして自分に合ったコースを事前に確認しましょう。
通信制高校の利用時の注意点は?
これまで通信制高校をご利用するにあたって大きなメリットをいくつか紹介してきましたが、やはり通信制高校の利用にはメリットと同時に注意すべきこともあります。
次にここでは利用時の注意点についてお話していきたいと思います。
- 自主性や自己管理といった自主自律の精神が求められる
- 全日制に比べて生徒同士の交流が少ない
- 学習内容が優秀な学生にとってやさしすぎる
などといったデメリット、注意点が挙げられます。
その他にも大学進学を希望する生徒にとって、進学コースは別として通常の通信制高校のカリキュラムでは学習内容が不足する点などもあります。
そこで、次にこれらの注意点についてピックアップし、詳しく解説していきたいと思います。
自主性や自己管理能力が要求される
良い悪いは別として、全日性高校はある程度の学校側からの勉強や生活を強いられます。
成績が落ちたり、悪かったりすると教員の指導やサポートが入ることがほとんどです。
しかし、一方で通信制高校はそのような教員指導がなく、学生にすべてが一任されています。
例えば成績が落ちている場合、自分でそれに気づき自分で軌道修正する必要があります。
学習ペースが自由であるということは、どのように勉強し、どのようなペースで進めていくかを自分で決めなければなりません。
時間が多くある中で誘惑や多忙を理由に学習が進められていないという話はよく耳にします。
こういったことにならないように、自主自律の精神が要求されます。
サポート校を利用する手も
しかし、すべての学生にそれほどの自己管理能力があるとは考えにくいです。
そういった中で各学校は卒業率の低下を懸念し、サポート校体制を敷いているところが多いみたいです。
サポート校とは?
サポート校は単純にいうと、通信制高校の学生の勉強やメンタルなど、様々な面で学生の勉強をサポートする学校のことです。ここで要注意なのは、サポート校だけでは高卒の資格はもらえませんので、必ず通信制高校と一緒に利用しなければなりません。
例えば:
- さくら国際高等学校(教科別の勉強会を年数回行っており、教科担当が個別指導)
- 鹿島学園高等学校(履修相談員と話し合い、最適な履修方法を決定)
- 飛鳥未来高等学校(一人ひとり、個人的レベルにあわせて担任の教員が指導する)
- ルネサンス高等学校(生徒一人ひとりに担任の教員が付き、卒業までサポートする)
- NHK学園高等学校(インターネットで閲覧可能な学習ページで学習状況を生徒、保護者が把握、管理できるシステム)
- 第一学院高等学校(学習の進捗や学校生活における様子を保護者に知らせる)
などなどがあります。
このように通信制高校の利用にあたって注意点として考えられる部分ではありますが、対策をとっている高校もあるので調べてみてはいかがでしょうか。
まとめ
これまで通信制高校の大きなメリットや注意点についてお話してきました。メリットがある反面、生徒によっては注意すべき点もあります。
これから高校卒業を目指す方々は、これらのメリット・注意点を加味して、一つ通信制高校を選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。自分に合った最良の方法を見つけられることが一番だと思います。