通信制高校に通うメリットの一つに、アルバイトをしながらでも勉強をして高校卒業の資格を取得できることをご存知ですか?
その理由として、通信制高校にはスクーリングと呼ばれる学校に通う日を除けば、あとは自由に時間を組んで使うことができるという特徴があるのです!
そのため、普通の全日制高校よりもバイトできる時間は多くなります。
では、通信制高校に通う学生のアルバイト事情はどのようなものなのでしょうか?
今回は、通信制高校生のアルバイト事情について徹底的に解説していきます。
上手くアルバイトと学校生活を両立させて、充実したスクールライフを目指しましょう!
目次
通信制高校ではアルバイトできる
全日制高校ではアルバイトすることを禁止していることが多いですが、通信制高校では自主性を重んじる傾向にあるためアルバイトOKという学校がほとんどです。
通信制高校は全日制高校とは違い、毎日登校する必要がありません。
そのため、空き時間を有効に使いアルバイトをする学生が多くいるのです。
一方で、全日制高校の場合は昼間に授業があるため、アルバイトをするにしても夜間や夕方のアルバイトをすることになります。
やはり、それでは生徒の安全面から考えても好ましいとはいいがたいですよね。
また、通信制高校では、自分で決めた時に勉強を進めていくことができるのが大きな特徴の一つです。
昼間は仕事をして、夜は勉強をするというライフスタイルも十分実現可能であり、周りより一足先に社会経験を積むこともできるのです!
通信制高校に入学してすぐはアルバイトできない?
アルバイト採用の条件として「16歳以上」というものを設けているところも存在します。
また、中学を卒業してすぐに通信制高校に進学した場合には、まだ15歳という人が多いですよね。
では、そのようなケースだとアルバイトはできないのでしょうか?
労働基準法では「児童が萬15歳に達した日以降の最初の3月31日が終了するまでこれを採用してはならない」と定められています。
したがって、中学を卒業した後の4月1日を過ぎれば法的にはアルバイトをしても問題はないのです。
高校生OKというアルバイト先であれば、これから16歳になるという高校生でも雇ってもらうことができるのです。
心配な場合は、事前に採用担当者に確認してみるといいでしょう。
学校生活とアルバイトの両立
通信制高校の学校生活とアルバイトの両立は決して難しいものではないです。
実際に、通信制高校に通いながらアルバイトをこなす学生は非常に多く、全体の約半数にも上ります。
学費を稼ぐため、または小遣いを稼ぐためなど、アルバイトをする動機は人それぞれのようですが、両立している実例は多くあります。
また、入学時も面接でも入学後にアルバイトをする予定はあるのかを聞かれることも多く、学校側もアルバイトを推奨しています。
アルバイトだけで学費を賄っていくことも十分可能ですし、特に公立の通信制高校なら1年間で10万円程度の学費で進学できます。
学費が心配な方にはうってつけなわけです。
高校生におすすめのアルバイトは?
通信制高校であるならば、アルバイトをしても学校からお咎めをくらう心配もありません。
全日制高校であっても学校に届け出を出せば特例としてアルバイトが認められることがありますが、通信制高校ならそのような手続きさえ不要です。
特に、20代を過ぎて通信制高校で勉強をし直している人ならば、問題なくどんな仕事でもすることができるでしょう。
しかし、もちろん10代の人は高校生可の仕事を探す必要があります。
通信制高校といっても高等学校の一形態であることに変わりはありません。
「じゃあ、どんなアルバイトが良いの?」
なんて悩んでしまいますよね。
ここからは、通信制高校生にもおすすめできるアルバイトを具体的に紹介していきます!
コンビニエンスストアのアルバイト
コンビニエンスストアのアルバイトは、高校生可というところも少なくはありません。
どのチェーンのコンビニでも働き方のポイントをまとめたマニュアルのようなものが用意されているので、接客に自信がないという方でも安心して働くことができます。
また、コンビニエンスストアは店舗数が多いので、自宅から歩いて行ける近場を選択することができます。
これは交通費と時間の節約にもなります。
他にも、コンビニはシフトの融通も利きやすいので、仕事ばかりにのめりこむことなく勉強と両立させることができるでしょう。
ファーストフード店のアルバイト
ファーストフード店はマニュアルや研修がかなり整っているので、まだ働いたことのない高校生でも馴染みやすい環境といえます。
校則が比較的自由な全日制高校の生徒を含め、高校生がたくさん働いていることも特徴の一つです。
アルバイト仲間との出会いもアルバイト選びにおける魅力の一つです。
倉庫や工場でのアルバイト
ベルトコンベアーで運ばれてくる商品や荷物の仕分けや、中身に不備がないか検査する検品の作業、袋詰め作業、シール張り作業など、単純作業が多いアルバイトです。
どれも覚えやすく、難しいものは少ないです。
また、単発や短期での採用も多くある仕事なので、暇な時間が多い期間に集中して働くこともできます。
勉強だけに集中する期間と、アルバイトに集中する期間のメリハリを付けたい方におすすめです。
通信制高校の学生がアルバイトをする理由は?
半数以上の生徒がアルバイトをしているのが現状の通信制高校ですが、これはやはり全日制高校にはない特徴といえます。
ではいったいなぜ、通信制高校の生徒はアルバイトに熱心に取り組む傾向にあるのでしょうか?
学費を稼ぐため
金銭的な理由から全日制高校への進学をあきらめて、通信制高校に進学する学生もいます。
通信制高校の学費は全日制高校と比較してもリーズナブルな場合が多いので、アルバイト代で学費を支払うことも可能でしょう。
しかし、中には1年にかかる費用は公立でおよそ100万円近くかかる私立高校も存在しています。
自分で学費を稼いで通いたいと考えているなら、必ず事前に学費をきちんと調べるようにしましょう。
社会経験のため
アルバイトをすることで、基本的な社会人としてのマナーやコミュニケーションを高めようと考えている学生もいます。
自宅での勉強が中心となっている通信制高校生は、人と接する機会がどうしても少なくなりがちです。
そこでアルバイトを通じて人と接しようというわけです。
特に接客業などのアルバイトを経験すれば、相手が何を求めているのかニーズを読み取る能力が高まるでしょう。
将来的に大学受験などで面接のある学校を選ぶ人も少ないでしょう。
アルバイトを通じて初対面の相手であってもしっかりとコミュニケーションをとることができるようになれば、いざという時に慌てなくて済むのです。
また、学生時に身に着けたコミュニケーション能力は社会人になってからも役に立つことは間違いありません。
将来の夢のため
将来の夢がもうすでに明確になっていたり、なるべく早くからその業界に触れておくためにアルバイトをする人もいます。
例えば、
・ 福祉関係の仕事をしたいと考えている学生で、シニア向けマンションのコンシェルジュをするアルバイトをする学生
・ 企業が夢ならば、ITベンチャー企業でアルバイトをしたり、不動産関係で働きたいと考えている人ならば不動産営業のアルバイトをしたりしている学生
将来のビジョンなどは人それぞれです。
一度自分の夢と向き合って、そのためにどんなアルバイトをするのが有効なのか考えてみることが重要だといえるでしょう。
通信制高校の学生のアルバイト採用状況は?
「通信制高校の学生はアルバイト面接に不利になるのでは?」と不安に思っている人も少なくないようですが、決してそんなことはありませんので安心してください。
むしろ、通信制高校に通っている人は有利にアルバイトとして働ける可能性もあるのです。
通信制高校を積極的に採用するアルバイト先もある
アルバイトを雇う側からすると「できるだけ時間があって融通の利く人材が欲しい」という心境があります。
そのため、通信制高校の学生はむしろ歓迎されることが少なくありません。
履歴書には臆することはなく、通信制高校在学中と書いて問題はありません。
このように、一見デメリットのように思えてしまうことも有利に働くことがあるのです。
10代では若すぎることが不利と考える人もいますが、10代だからこそできる仕事というのもあります。
例えば、かわいい制服着用の飲食店などでは、やはり一定以上の年齢を超えてしまうと働くのが厳しくなってしまうものです。
「高校生不可」に応募することはできないの?
誤解されやすいことではありますが、通信制高校生は「高校生不可」にも応募することができます。
「高校生不可」という条件は「試験勉強や学校の行事で休みが多くなってしまうと困る」という意味あいが強いです。
そのため、時間に融通が利くことをアピールすれば、すんなり面接にも通るケースがほとんどです。
もし、本当に若さや経験の浅さを懸念して不可にしている職場ならば、しっかりと18歳未満不可と書かれているはずです。
アルバイトに採用される応募・面接のコツ
学歴は正直に書く
まして学歴を詐称するようなことは絶対にしてはいけません。
アルバイトなら合否に学歴はほとんど影響しないので、自信をもって正確な事実のみを採用担当者に伝えるようにしましょう。
ポジティブに話す
面接で自分を卑下したり、ネガティブな印象を与えるような言動をしたりするのはいいことではありません。
面接では本音でなくともポジティブな言動で、将来に目を輝かしているような印象を与えるようにしましょう。
このような意気込みで臨むことができれば、アルバイト面接に受かる可能性がアップするでしょう。
アルバイトに受からない原因は?
求められている人材とギャップがある
それほどバイトの人数に困っていないケースでは、新しく雇う人のハードルを高くしている場合があります。
バイトをするのも初めてで、勉強のために週1日・数時間だけで働こうと考えている通信制高校生であれば、仕事を一から教えるのにも時間がかかり、その上次のシフトまで期間が開いてしまいます。
そのため、仕事ができるようになるまでに時間がかなりかかってしまい、戦力にならないと判断されてしまう可能性があります。
それよりも、同業種の経験者であり週に3日程度働ける人などの即戦力を積極的に採用するほうが雇う側からするとメリットが大きいのです。
少しでも雇う側の不安要素を無くしてあげることがポイントです。
通信制高校への偏見
通信制高校との関りが今まで一度もなかった人にとっては、通信制高校への偏見を持っている方もいるようです。
働いているうちにそのような偏見は解消されることが多いですが、採用の時点では誤解されたまま対応されてしまう可能性があります。
対策としては採用担当者が通信制高校に良くない偏見をもっているのならば、「やっぱり通信制高校の学生はだめだ」と思わせないことが重要になってきます。
黒髪で服装も落ち着いた派手すぎない格好にしたり、言葉遣いも丁寧に心掛けたりして、面接官に真面目で明るい印象を与えることができれば採用される可能性は高くすることができるでしょう。
面接での受け答えがいまいち
アルバイトの面接といえども、採用する側は人間性ややる気などもしっかりと見ています。
初めて面接をする場合は慣れていなくて緊張してしまうかもしれませんが、自分の発言次第で採用・不採用が決定されます。
自分が志望しているアルバイトによって求められる能力は違います。
工場勤務のアルバイトであれば地道な作業でもコツコツと努力できる能力、コンビニのアルバイトであれば対人スキル、カフェなどであれば接客に興味があったなど、志望先によってアピールするポイントは異なってきます。
アルバイトをすることによるデメリット
通信制高校生がアルバイトをする上でのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
勉強がおろそかになりがち
通信制高校の勉学はほとんど自分で進めていかなければなりません。
スクーリングと呼ばれる登校日は週1回程度の通信制学校が多く、あとは自宅学習のみという学校も少なくありません。
そのような場合はついバイトに夢中になってしまい、勉強の方がおろそかになってしまうという危険性があります。
せっかく通信制高校に入学したからには、きちんと卒業をして高等学校卒業資格を取得することが第一目標であるべきです。
学費を稼いだり、社会勉強の機会になったりしたとしても、バイトをメインとした生活習慣にならないように注視する必要があります。
通信制高校卒業後にフリーターになる可能性
文部科学省の調査によると、通信制高校の卒業生の多くが卒業後の進路が未定であるという結果が出ています。
進路未定の学生の中にはフリーターも含まれます。
高校時代の延長でついバイト生活を続けてしまうという人も少なくないのが現状です。
一つのアルバイト先で長く続けていると、卒業後も働いてほしいと頼まれることも結構あります。義理を感じてしまう方も多いかもしれませんが、強い意志をもってアルバイトは学生時代までと決意することが大切です。
おわりに
通信制高校は全日制高校よりもアルバイトをしやすい環境であるといえます。
自己管理がしっかりとできれば、バイトと勉強の両立はそこまで難しいものではありません。
全日制高校ではできないような社会勉強がアルバイトによってすることができます。
人間的にも魅力的になるチャンスがアルバイトにはありますので、ぜひ自主性を大切にしてアルバイトにも取り組んでみてはいかがでしょうか。