サポート校と通信制高校に部活ってあるの?

「部活動は全日制高校だけで、サポート校や通信制高校に通ったら部活動はできない?」「仲間とともに部活動に打ち込むという経験をすることができない?」このように考えていた方も多くいらっしゃると思いますが、サポート校、通信制高校でも部活動に入ることができます。この記事ではサポート校、通信制高校の部活動の実情について丁寧に解説していきます。

サポート校、通信制高校の違いとは?

本題のサポート校、通信制高校の部活動の実態について掘り下げる前にそもそもこれらの高校の違いはなにかわからない方も多くいらっしゃると思います。そのため、これらの高校についてざっと概要を説明していきます。

通信制高校とは

 通 信制高校とは、通信によって勉強を進め単位を取得し、「高等学校卒業資格」を得られる高校のことを指します。ここでは、全日制高校のように毎日学校へ通う必要はありません。学校によりけりですが週2~3日程度学校に通うだけで十分です。そのため、自分の時間を多く作りたいという方にはぴったりの学校です。自宅からレポートを提出し、試験で合格点が取れれば晴れて、通信制高校を卒業することが出来ます。

こうしてみると、卒業することがなんだか簡単なことのように思えますが、決して安易なことではありません。自宅学習が中心となっていくからこそ、自分で勉強する時間を確保し、どのくらいのペースで勉強を進めていくかについても自らが決定する必要があるのです。つまり、自己管理しながら自主的に勉強する必要があります。今日は疲れたから明日勉強しようと、勉強を先延ばしにしていくと、試験で点数が取れずいつまでたっても卒業できないという事態になってしまうのです。実際、10年以上卒業できない人もいるため、この点には注意が必要です。

サポート校とは

サポート校は、この名前の通り、通信制高校での勉強をサポートする高校です。一般的な塾と同じようにとらえてもらえば、わかりやすいと思います。塾と同じなので、サポート校だけに通っても「高等学校卒業資格」は得ることはできません。上記で述べたように、通信制高校に通い、独学の勉強だけで卒業できる人はほんの一握りです。そのため、サポート校では、どのくらいのペースで勉強を進めていくか決めてくれます。加えてわからない問題についても教えてくれます。つまり、通信制高校を卒業できるように勉強をリードしながらも補修を行ってくれる学校なのです。一人だけで勉強するのが不安という方は、通信制高校と合わせてサポート校に通うことをおすすめします。

サポート校、通信制高校の部活の実態はどうなっているのか

サポート校、通信制高校の違いについてわかりいただけたと思うので、ここからはこの記事の本題である部活の実態について明らかにしていきます。

サポート校、通信制高校にはどのような部活があるのか

 サポート校や通信制高校には、全日制高校と同じくらいの種類、部活動があります。全日制高校と同様、文化部と運動部に分かれていて、文化部には吹奏楽部、外国語学部、軽音楽部、書道部、茶道部、ゲーム部などがあります。一方で運動部には、テニス部、野球部、陸上部、サッカー部、剣道部、バスケットボール部などがあります。こうしてみると、全日制高校と同じように見えますね。サポート校、通信制高校の中には、全国大会に出場するほどの力を持った部活動もあります。加えて、全日制高校ではないような特殊な部活動があるサポート校、通信制高校もあります。

また、部活動はなくてもサークルとして活動している学校もあります。通信制高校やサポート校の多くがビルの中に入っているため、グラウンドなどを確保できるほどのスペースがない学校もあります。このような学校では、同じ興味を持っている生徒同士が集まってサークル活動として学校外で活動しています。このような活動を先生がサポートしてくれる学校もあるのが、通信制高校・サポート校の特徴です。

サポート校、通信制高校の部活はどのように活動しているのか

全日制高校に通う生徒に比べて、通信制高校やサポート校に通う生徒は学校に通いません。サポート校は、通信制高校に通う生徒の勉強を補助する塾のようなところであり、通信制高校は通信によって勉強を進めていくため、これらの学校には週2~3日ほど通う生徒が多いです。

 つまり、毎日部活動を行うことはできず、練習時間は必然的に短くなってしまいます。
しかし、部活動の時間が短いからこそ、どのようにしたら効率的に練習できるのかについて生徒自らが考え、自主的に練習し強豪校になる学校もあるため、練習時間が短いことが必ずしも悪いことではないでしょう。

これらの学校は商業ビルに入っていることが多く、練習場所が限られてしまっています。そのため、場所の確保に関しては悩みの種になっている学校もあるそうです。部活動を一生懸命に行いたいと思っている方は、入学する前にその部活を見学して練習のペースや場所などについて知っておくほうが良いでしょう。

部活動はなくても、専門的なコースを設置している学校もある

 通信制高校やサポート校には、プロを目指す人を育成するような専門的なコースを設けている学校もあります。とりわけサッカーは、多くの学校がコースを設けています。またベースボール、バスケットボールなどのメジャーなスポーツにも専門的なコースがある学校もあるので、全日制高校へ通い強豪校に入ることだけが、プロになり活躍するための道ではありません。

サポート校、通信制高校の部活動は試合に参加できるのか

ここまでは通信制高校、サポート校における部活動にはどのような種類があり、どのように活動しているのかについて解説してきました。これらの学校でも部活動は存在し、時間や場所について、それぞれの高校が工夫しながら活動を行っていることがわかりました。ただ、とりわけ運動部に入りたい皆さんは、部活動があっても、公式の大会に出場できなかったら、練習に対するモチベーションが上がらないと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは、サポート校、通信制高校でも試合に参加できるのかについて解説していこうと思います。

サポート校、通信制高校でも公式の試合に参加できるのか?

 一般的な通信制高校は、高等学校体育連盟の許可を得ることが出来ないため、全日制高校の大会に出ることはできません。しかし、サポート校、通信制高校の中にはこの認可を受けている高校もあります。野球部員の憧れである、甲子園へ通信制高校のクラーク記念国際高校が出場しました。この高校の野球部は創設してから、3年しか経っていません。この急成長ぶりに驚き、多くの人から注目を浴びました。

また、長野県の通信制高校である地球環境高等学校も春の甲子園に出場しています。このように通信制高校でも、実力さえあれば全日制高校と同じように試合に出ることができるのです。

もう1つのインターハイとは?

一般的にインターハイといえば、全日制の運動部が競い合う試合というるイメージがあると思いますが、時制、通信制高校にもインターハイと呼ぶものが存在します。それが、全国高等学校定時制通信制体育大会です。これは、定時制高校と通信制高校が競い合う大きな試合で、毎年8月に約3週間開催しています。野球やサッカー、卓球、バスケットボール、ソフトテニスなど、11種もの競技が種目となっています。

全国各地で地区大会が行われ、これを勝ち抜いた学校が東京近郊で行われる全国高等学校定時制通信制体育大会に出場することができます。全日制高校のインターハイに比べたら小規模ですが、この試合に出ることを目標として、多くの高校が部活動に励んでいます。

通信制高校の強豪校はどこの学校か

せっかく通信制高校に入学するのであれば、強豪校に入りたいと思っている方も多くいらっしゃると思います。そのため、ここからは通信制高校の強豪校について紹介していきたいと思います。

強豪校 運動部編

・東海大学付属望星高等学校

柔道が強い高校です。定時制高校の全国大会で、柔道部は3位の成績を収めています。また剣道にも強い選手がいます。

・長尾谷高等学校

こちらは関西の複数の高校から構成している高校です。とりわけテニス部が強く、全国大会への出場経験もあります。プロテニスプレイヤーである伊藤竜馬選手は、こちらの高校のOBです。

・日出高等学校

テニスの強い選手をたくさん輩出している高校です。

・さくら国際高等学校

ダンス部や卓球部が強い高校です。とりわけダンス部は創部20年弱と、長い伝統がありイベントに参加するなど、試合以外の活動でも活躍しています。

・明秀学園日立高等学校

バスケットボール部が強く、全国大会の常連校として知られています。

・第一学院高等学校

全国にキャンパスがある通信制高校ですが、とりわけ茨城県にあるキャンパスのサッカー部は全国大会レベルです。皆さんもご存じであろう、香川真司選手、原口元気選手、酒井宏樹選手などがこの学校のOBです。

・鹿島学園高等学校

この学校のサッカー部は、茨城県内トップクラスです。ここは鹿島アントラーズの若い選手が多く通っているという特徴があります。プロのサッカー選手も多く輩出しているので、サッカーで生きていきたいと思っている方にとっては、ぴったりの学校であるといえます。

強豪校 文化部編

・クラーク記念国際高等学校

吹奏楽部が奈良県の吹奏楽コンクールで2回連続金賞を受賞しています。

・聖パウロ学園高等学校

美術部の活動がとても盛んです。学校外でも展覧会を実施しています。


以上が通信制高校の強豪校の一例です。興味のある、または得意な種目が強い高校は見つかりましたか。これらの学校以外にも、強豪校はたくさんあるので気になっている通信制高校に直接問い合わせてみてくださいね。

おわりに

この記事では、サポート校、通信制高校における部活動の実態を明らかにしてきましたが、いかがだったでしょうか?サポート校や通信制高校に入ったら、学校に通う頻度が少ないから部活動がない?と不安に思っていた方もいらっしゃると思いますが、これらの学校でも部活動は存在します。時間や場所がない中で、それぞれの生徒が真剣に部活に取り組んでいます。趣味として部活動をしたい方や、部活動に打ち込みたい方など、部活への熱意は人それぞれだと思いますが、自分の目標に一番合ったサポート校、通信制高校を探してみてください。

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