通信制高校の学費は本当に安いのかについて徹底検証

通信制高校の学費は本当に安いのかについて徹底検証

通信制高校は学費が安いというイメージを多くの方が持っていらっしゃると思います。

しかし、実際のところどうなのでしょうか?

学費が安いから通信制高校を選んだにも関わらず、全日制高校と同じくらいの学費がかかってしまったら元も子もありませんよね。

この記事では、通信制高校の学費について徹底解説していきます。

金銭的な不安がなく最適なスクールライフが送れるよう、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

通信制高校とはどのような高校なのか?

通信制高校は全日制に比べて学校に通わなくていい高校のことじゃないか?

このように、通信制高校について漠然と知っている方は多いと思いますが、実際はどのような学校なのかあまり知らない方も多いのが実態です。

そのためまず始めに、通信制高校とはどのような学校なのかについて紹介していきます。

通信制高校とは

通信制高校には地方自治体が運営する公立の高校と、株式会社や学校法人が運営する私立の通信制高校があり、その名の通り「通信」によって勉強を進めていきます

つまり、自宅で教科書を読んだり参考書を解いたりして勉強を進め、レポートを提出しテストを受け、合格点を取ることで単位

を取得していきます。

通信制高校を卒業するために必要なことは以下の3つです。

・レポートを提出する 

・テストで合格点をとる
・スクーリングと呼ばれる登校を決められた回数行う

この3つの事柄をクリアできれば、晴れて通信制高校を卒業でき、「高等学校卒業資格」を得ることが出来ます。

通信制高校はどんな人にあってるの?

通信制高校では、学校に毎日通う必要がありません。

なので、学校に通うには困難がある方にはとても適しています。

芸能活動を行っている方や、体が弱くてあまり学校に通えない方、趣味と勉学を両立したい方にはぴったりな学校なのです。

また、不登校やいじめを経験してしまったという生徒も多く通っています。

そのため、自分と同じ境遇の生徒と友達になることで他人に対する不信感を克服するきっかけを作ることができます

卒業は簡単ってこと?

上記で述べた3つの卒業条件を満たすことは一見簡単に思えますが、実際はかなり大変なことです

なぜなら、通信制高校では先生がカリキュラムに沿って授業をしてくれるわけではないからです。

つまり、どのくらいのペースで勉強を進めていくか、また一日にどれくらい勉強するかについて自分で決め、自主的に勉強をしていかなければなりません。

全日制高校では、成績が下がったり勉強をしなかったりすると先生が注意をしてくれますが、通信制高校では勉強をしなくてもだれにも怒られません。

しかし、単位を取得することもできません。

その結果いつまでたっても卒業できないことになってしまうのです。実際に、10年以上卒業できなかった人もいます。

せっかく、通信制高校に入ったのに卒業できないということがないように、自己管理しながら勉強していくようにしましょう

通信制高校の学費は本当に安いのか?

通信制高校の学費について知るために、まず通信制高校と全日制高校の一年間の学費を比べていきます。

私立の通信制高校には、自宅で学習を進めるコースと学校で進めるコースがあり、どちらのコースにするかで値段が大きく変わります。

なので、ここでは分けて紹介します。

・公立

通信制高校 公立 万円
全日制高校 公立 25万円

・私立

通信制高校 私立(登校メイン) 60万円
通信制高校 私立(自宅学習メイン) 25万円
全日制高校 私立 80万円

このようにしてみると、公立の通信制高校の学費の安さが際立ちますね

また自宅学習がメインであれば、私立の通信制高校と公立の全日制高校の学費があまり変わらないことがわかります。

通信制高校の具体的な学費はいくらなのか

上記では通信制高校・全日制高校の学費を比べてみましたが、ここからは通信制高校の学費について詳細に説明していきます。

私立でも公立の通信制高校でも共通して、入学金・教科書代・授業料がかかります。

これに加えて、施設維持費や部外活動のための費用などがかかる学校もあります。

それでは、このような学費について公立と私立に分けて紹介していきます。

公立の通信制高校の学費

公立の通信制高校の学費は、さまざまな高校の形態の中でずば抜けて安いです。

入学金と授業料などを合わせても約10万円で卒業することができます

1単位当たりの授業料は350円弱であり、とてもお安くなっています。

公立の通信制高校で一年間にかかる学費は以下の通りです。

① 入学料 500円
② 授業料(1単位350円) 350円×25単位=8750円
③ 日本スポーツ振興センター共済掛金 165円
※別途、実習にかかる費用やレポートを郵送する費用がかかることがあります。
合計 9415

一般的な公立の通信制高校の学費は年間1万円です。

つまり3万円程度で卒業できてしまうのです。3万円ほどの学費でしたら自分でアルバイトをして払える額ですね。

学費の面だけをみたら、公立の通信制高校が圧倒的に魅力的でしょう。しかし、公立の通信制高校の卒業率はとても低く約40パーセントです。

学費が安い分、私立の通信制高校とは異なり勉強に対するサポート体制がありません。つまり、自分を律しながら独学で勉強していく必要があるのです。

学費が安いからといって公立の通信制高校への進学を決めてしまうと、何年たっても卒業できず、毎年払う授業料を無駄にしてしまいます。

自己管理しながら、自主的に勉強していくことが出来るのかについてよく考えたうえで、決断するようにしましょう。

私立の学費

私立の通信制高校には、自宅学習メインのコースと通学コースの2つあります。

通信制高校は、学校へ通う日数によって学費が変わってきます。

そのため、自宅学習メインのコースを選んだほうが学校に通う回数が減るため学費が安くなります。

自宅学習メインでも登校メインのコースでも共通してかかる費用としては以下のものが挙げられます。

・入学金 入学するときに払う費用
・施設維持費 校舎といった学校の施設をメンテナンスするための費用
・通信費 インターネットを使うための費用
・教科書代 教科書、参考書などを購入するための費用
・授業料 1単位を取るためにかかる費用
・課外活動費 スポーツ大会といったイベントに参加するための費用

他にも、学校によってはほかに費用がかかる場合がありますので、詳細については各学校に問い合わせてみてください

ここからは、自宅学習と登校メインのコースに分けて、学費の一例を紹介します。

自宅学習メインのコース

① 入学金 50000円
② 授業料 7000円×25単位
③ 施設維持費 25000円
④ 通信費 5000円
合計 25,5000

こちらは自宅学習メインを選んだときの学費の一例です。

この基本プランに、通学の頻度を増やすことや、専門的な内容を学べるオプションを追加していくようになっています。

私立の通信制高校では、インターネットを通じてレポートを提出することが出来るので、公立の通信制高校ではなかった通信費がかかるようになっています。

通学コース

登校メインのコースを選択すると、多くの高校では、基本のプランに登校回数をオプションで付けることになります。

毎日、通信制高校に通うプランにすると学費が上がり、私立の全日制高校に通うのと同じくらい費用がかかるケースもあります。

週1日~3日通うと年間で約45~60万円程度、週4、5日通うと年間で約70~90万円程度が相場だといわれています。

通信制高校にできるだけ安く通うためには

ここまでは、通信制高校の学費について解説してきました。

通信制高校とひとまとめに呼んでいても、公立であるか私立であるか、高校への登校回数によって値段が大きく変わることがわかりました。

では、少しでも安く高校に通うためにはどうすればよいのでしょうか。

①自己管理を徹底して公立の通信制高校へ通う

通信制高校と全日制高校の学費の一覧でおわかりいただいた通り、公立の通信制高校は圧倒的に学費が安いです。

しかし、卒業率も圧倒的に低いです。

今日は疲れたから明日勉強しようと、やることを先延ばしにするのでなく、自分を律して勉強できると思う方や、強い意志を持って勉強に挑める方は公立の通信制高校に通うようにしましょう。

②私立の通信制高校へ通う場合は、登校回数を減らす

上記でも述べましたが、学校へ通う回数が増えれば増えるほど学費は上がります

そのため、公立よりサポート体制が整っている私立の通信制高校に通いたいけど、学費が気になるという方は、私立の自宅学習メインのコースを選択することをおすすめします。

また、入学したばかりは、勉強の進め方が不安な方も多いと思うので、登校回数を増やして、慣れてきたら登校回数を減らしていくのも良いかもしれません。

③就学支援金を得る

高等学校等就学支援金制度というものが通信制高校にも適用されます。

この制度によって学費の補助を受けることができます。

文部科学省のホームページによると、年収が910万円以下であり、下記の2つの要件を満たすと就学支援金を得ることが出来ます。

① 平成30年6月支給分まで:市町村民税所得割額が30万4,200円未満
② 平成30年7月支給分以降:市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が50万7,000円未満

この制度の詳細については、文部科学省のホームページに載っています。

就学支援金を使えば、かなり経済的な負担を減らすことが出来るので、気になる方は必ずチェックしてみてください。

おわりに

この記事では通信制高校の学費について徹底解説してきましたが、参考になったでしょうか。

通信制高校の学費といってもひとまとめにはできず、公立か私立か、学校にどのくらいの頻度で通うかによって変わってきます。

公立を選んだ場合、学費をかなり抑えることが出来ますが、勉強に対するサポート体制はあまり整っていません。

学費が安いからと言って安直に公立の通信制高校を選ぶと、何年経っても卒業できないという事態にもなりかねません。

自分が自己管理しながら勉強を進めていけるかについてはよく検討するようにしましょう。

また、同じ私立の通信制高校でも、学習スタイルをメインにするだけで学費が大幅に抑えられます。

独学で勉強していける自信はないが、経済面が不安という方は、自宅学習メインの通信制高校に通うようにしましょう。

学費が高ければその分手厚いサポートを受けることができますが、学費が安いと最低限のサポートしか受けることができません。

通信制高校に通う最大の目的は、高校を卒業し「高等学校卒業資格」を得ることです。

学費ばかりに目を向けるのではなく、きちんと卒業できるのかを第一に考え、進路を選択するようにしてください。

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